病理部では、養殖業の大きな阻害要因である感染症について、防除対策を目的に病原体の同定と特性解明、治療法やワクチンによる予防法の開発などの研究を行っています。また、診断法の開発、現場での魚病診断を担う都道府県への技術的支援や不明病の診断、持続的養殖生産確保法で指定する特定疾病の診断、魚病の防疫に関わる国際機関への貢献および国内防疫行政への協力を通じて、魚病問題の解決をめざしています。

病理部は、免疫グループ、病原体グループ、診断グループで構成されています。

免疫グループ

 養殖魚の感染症を予防するためのワクチン開発や、免疫学的手法を用いた診断・感染履歴検査手法を開発し、感染症の発生や流行を阻止するための研究を行っています。

病原体グループ

 被害の大きい重要疾病の原因究明および病原体の特性解明に取り組み、その防除技術の構築を目指しています。また、病原性の把握等による特定疾病の国内重要魚種へのリスク評価を行っています。

診断グループ 

 養殖業で問題となる不明な疾病について原因究明し、特定疾病等の重要な疾病について診断を行っています。また、コイヘルペスウイルス病およびマダイイリドウイルス病については国際獣疫事務局(OIE)からリファレンスラボラトリー*に指定されています。

 * OIEが定める重要疾病に関して、OIEや加盟国に対し診断方法に関する科学的・技術的な助言、診断、研修、陽性対照配布等を行う専門家を有する機関。

ヒラメのウイルス性疾病の親魚選別検査
講習および実習の様子