水産資源は、上手に漁獲をコントロールすれば将来にわたって利用することのできる持続可能な資源です。そのためには、各資源の状態を評価し、それに基づく漁業管理が必要になります。また、漁獲量や漁業者数が減少する中、日本の水産業の成長産業化も最重な課題となっています。

 それらに対応した水産政策を進めるため、令和2年12月に改正漁業法が施行され、水産資源の適切な管理を実現するための「資源評価」は主要な施策のひとつとなり、更に、令和4年3月に閣議決定された水産基本計画では、海洋環境の変化も踏まえた科学的根拠に基づく資源管理の着実な推進も求められています。

 水産資源研究所は、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化への科学的基礎となる資源評価を行う「水産資源研究センター」と、さけます資源の回復・管理を目的とする「さけます部門」の2つの研究開発の組織を有しており、漁業調査船を活用した科学的知見の収集、漁業や市場の現場から得られるデータの活用等により、水産資源に関する高い専門性を用いた分析や研究を行っています。

 これらを通じ、自然界がもたらす水産資源を、常に変動する自然環境と経済社会の状況下において、最大かつ持続的に利用するための研究開発を進め、その成果を社会に広く還元することをめざしています。季節の魚を将来にわたって食べたいという皆様のご期待に科学面から応えられるように取り組んでまいります。

 

令和4年4月1日

水産資源研究所長 水産資源担当理事

桑原  智