2020年9月29日

 

 カツオは主に暖水の張り出し及び暖水塊の北縁部西寄りに分布する傾向があります。そこで、水産研究・教育機構の海況予測システムFRA-ROMS による10 月の予測水温データをもとに、カツオの主分布域を予測しました(図1)。主分布域の予測には、FRA-ROMS による、2020 年10 月1 日から10 月31 日までの海面及び深度20m の毎日の水温予測データ(2020 年9 月23 日に更新)をもとに計算された平均場(図2)を用いました。10 月にカツオが分布するのは、海面水温が19-21 度の範囲であり、かつ、深度20m において水温が高くなる方角が東ないし南向きである海域です。

図1 2020年10月のカツオ主分布域の予測
図2 2020年10月の月平均海面水温図:2020年9月23日更新のFRA-ROMS 予測による

<参考資料:カツオ主分布域の導出について>

 

 カツオ竿釣漁船の船間無線交信情報(QRY)と水産研究・教育機構の海況予測システムFRA-ROMS の水温データを用いて、9-10 月の北緯35 度以北のカツオ漁場における海面水温と深度20m の水温勾配の方角の頻度分布を算出した。なお、QRY およびFRA-ROMS の水温は2010-2016 年の期間のデータを用いた。海面水温の頻度分布は19度台にピークを持っており、19-20 度台には全体の39.9% が含まれていた(図3)。また、カツオが分布する海域の20m 深の水温勾配の方角は、東ないし南向きが多く、全体の40.5% があった(図4)。この方角は、黒潮系暖水の北への張り出しにおける西側の海域や、暖水塊の北西側の海域のように、水温が暖かくなる方角が東ないし南向きになる海域を表している。

 以上の2 つの条件に合う海域を9-10 月のカツオの主分布域とした。

図3 カツオ漁場における海面水温の頻度分布:全体で100% となるように規格化されている
図4 カツオ漁場における深度20mの水温勾配の方角の頻度分布(左)と模式図(右):頻度分布は全体で100%
となるように規格化されている